日本葬送文化学会は葬送に関わるすべての事象の研究を目的に設立されました。

日本葬送文化学会

会長挨拶

日本葬送文化学会 会長
長江曜子

昨年度は、日本葬送文化学会が、研究会として東京電機大学八木澤研究室で産声を上げてから、30周年を迎えました。30周年の記念事業として。3本柱を考え、活動しました。

第一に、5月20日(金)の総会には、初代会長八木澤壮一先生と、初代事務局長の山床さんによる、研究会時代の始まりをお話ししていただきました。時代は、昭和の終わり家族の変化が葬送にも現れる予兆のある時代でした。勉強会として始まり、東京電機大学の大学院生や研究者とともに、葬送に関する実務者が集い学びあう自由雰囲気の会であったようです。とにかく、日本で初めて「葬送文化」に関する、情報の交換の場は始まり、30年間も続いてきたのです。

特に昨年は、季刊誌として刊行されてきた「SOGI」が、終刊を迎える象徴的な年となりました。核家族化、個人化によって、葬送文化に変化が起きてきているのです。情報化社会である現代、インターネットの情報も無視できない時代になってきています。葬送の簡素化、環境、自然回帰等の問題が、バブル崩壊後の20年に影響を与えていることを今後、しっかりと学問的に検証しなければならないと思います。

第二の事業は、9月12-14日2泊3日の強行軍で、中華人民共和国北京へ現代中国の葬送文化についての30周年記念研修事業です。15名の会員が参加し、韓国の会員張教授と中国の安会員を含め、幸せなことに3か国の葬送文化情報交換の場になった事です。この研修は、八木澤先生の30年来の友人である、上海福寿園(一大葬送施設、霊園中心であるが、葬儀場や火葬施設にも寝室している、香港上場企業)の副社長葛氏と、私の長い友人であり、日本葬送文化学会会員安剣星氏を通して、かつてない中身の濃い中国殯葬協会と公式研修、交流、意見交換を実現できました。

第三の事業は、会誌「葬送文化」の30周年号の発刊です。昨年、大変残念なことに、日本葬送文化学会の大きな功績を残され、会長経験者であるとともに、学会としての形式を整えた故浅香勝輔氏が逝去され、追悼を掲載させていただきました。先生は、学問に対する真摯で厳しい、誠実なお人柄とともに、大変優しい方でした。日本葬送文化学会の定例会場である東京文化学会の例会後の懇親会にも、気軽に参加されておられました。戦時中の葬送に状態など、貴重なお話を伺い、研究の大切さを学ばせていただきました。

葬送文化の変化の30年が、日本葬送文化学会の30年に重なり、新たなる時代の始まりを予感させる時を迎え、葬送は単なる遺体処理ではなく、いのちの大切さを伝えることが出来る人間が古くから行ってきた文化であることの意味を真に考えるものでありたいと思います。本年、5月7日毎日ホールにて、「終活ブームのつぎを本音で考える」と題する、一般公開講演会を実施いたしました。当日167名の参加者でした。毎日新聞社会部滝野隆浩氏をコーデイネーターとして、八木澤先生が火葬について、鵜飼秀徳氏が仏教者としての葬送変化を、長江曜子が墓の現在と未来について、葬送の本質について会場の皆様と、一緒に考える事業でした。本年も、引き続き、今後の葬送文化研究が進みますようにご指導とご協力をよろしくお願いいたします。

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