日本葬送文化学会 平成17年度 4 月 定 例 総 会(通算第4回)報告 |
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日時:2005年4月25日18:30〜
於:東京文化会館 4F 中会議室 @ |
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定例総会議事 | |
議長選出・・・・柴田千頭男先生 常任理事会報告と内示事項 第1議案 平成16年度活動報告に関する事項・・事務局報告 会長・理事・常任理事の人事に関する報告(敬称略・順不同) 会員の在籍状況を総会終了後4/30までの期間に、本年度年会費の未納入と会員現況票・または総会への出欠票未提 出をもって会員名簿から削除し、自然退会とみなす。別紙名簿に現状会員を添付しましたので、何か不備があればお 申し出下さい。 |
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定例会報告 同日 19:15〜20:20 | |
テーマ「個人情報保護法と葬祭業」―4月完全施行の『個人情報保護法』から― 報告者略歴・・当学会 常任理事 事務局担当・
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内容概要
◆個人情報保護と葬祭業務・・・信用と信頼が新たに問われる時代 名簿業者がネットで売る個人情報の “相場価格 ”1名20円から2万円までいろいろある。 情報の価格価値・・あおぞら銀行の場合 被害人数 26000人ネット上での相場価格は一人当たり2万円なのでそれに被 害者数をかけると26000人×20000円=5億2000万円。よって、5億2000万円の価値があるデータが流出した計算に なる。 ○特に葬祭に関連した情報漏えいの一部として、消費者からの苦情や被害として・・お悔やみ電報詐欺や葬儀後の各種のセ ールス(49日・1周忌)があげられる。また返礼ギフト類のパンフなどが多大に葬家に送付されることや墓地霊園の斡旋電 話、それに関するたびたびの来訪セールスが苦情として報告されている。中には新興宗教からの勧誘や寄付要請などもあ る。 ○特に葬祭に関連した情報漏えいの一部として、消費者からの苦情や被害について・・故人の死因についての流布により地 域から疎外感を持たれた。保険金などの授受に関して無責任な放言がなされて困った。世帯内の情報が知られてしまっ た。・・・・・・・等々 ○葬祭情報とは何か?葬家(故人・世帯)の住所・氏名・電話番号・・等々 『死亡届』・『死亡診断書』に記載された内容のすべて故人の家族・親族関係・世帯構成・職業等々に加えて葬家の地域社会 におけるスタンス・や上記事項に関連する派生的な情報、つまり暮し向き・保険金額・財産・相続・遺言・等々場合によって知 りうることもある。中でも特に『公文書』である死亡診断書・死亡届は重要である。葬祭企業の場合、何よりも、地元葬儀社と して多大な信用や信頼を失うおそれがある。これはお金では解決できない位の重大なダメージ。 ○情報管理社会へ向けた葬祭企業の使命と義務 葬祭業はその施行にあたって、その世帯 また個人、あるいは『故人』に関するかなり深遠な情報を知りうる立場にある。に もかかわらず、これまで葬祭業は『地域密着型の職性』と突発性・緊急性を業務発端としていたことから、『葬家情報の管理』 については、まったく関心がもたれることなく、個々の企業倫理に委ねられ、特段の配慮が『システム』としてなされてこなかっ た。 ○個人情報保護法の基本理解。 個人情報保護法は、個人情報を使って事業をしている者に対して、個人情報の不正取得 や目的外の利用を禁止し、また、その漏洩や毀損などを防止するための安全管理処置を行なうなど、個人情報の適正な取 り扱いの「義務」等を示した法律で、正しくは「個人情報の保護に関する法律」といいます。 ○個人情報の定義 この法律では、生存する個人が特定できる情報を個人情報といいます。特に葬祭業の場合には・・施行前後の顧客リスト・会 員名簿・イベント時の参加者名簿・アンケート等々その保有している形態を問わず、すべてが個人情報であると言えます。 同時に、顧客情報だけでなく、取引先や『従業員の本人・世帯情報』も含まれます。 ○法的対応実務 「在任中」は顧客に関する守秘義務があります。特に役員は受任者として善管注意・忠実義務があります。(商法・民法上) 社員等は労働契約や就業規則に守秘義務の遵守が盛り込まれていれば、契約上の守秘義務を負うことになります。またそ のような契約がなくても、労働提供義務や秩序遵守義務、また付随的や誠実義務を負いますので、やはり守秘義務は存在 することになります。従って、取締役・社員等が守秘義務に違反し顧客の情報を漏洩するようなことになれば、顧客に対して の不法行為として、損害賠償義務を負い、同時に企業自体もその「使用者責任」を問われる可能性もあります。また在職中 に知りえた顧客の情報は、退任・退職後も信義則上引き続いて守秘義務を負います。但し違反しても在職中と同様にはなり ません。これは職業選択の自由(憲法第22条第1項)との関係で不正な競争防止法に準じた違法性の強い主観的要件を備 える場合のみ損害賠償請求が可能です。 ○情報管理について 組織的管理は葬祭に関する情報管理責任者の配置をして組織の整備を行なう。 人的管理では社員だけではなくアルバイト・下請企業等に守秘義務の啓発や規則などが必要。物理的管理では業務掲示 板・受注・打ち合せ書・死亡届等のほか、部外者の事務所等への入退管理・施錠管理などが的確に行なわれいているかどう か。そしてまた技術的管理においては、パスワードや認証設置など情報システム系、つまりパソコンでの顧客情報管理の場 合、重要です。 ○葬祭企業における情報管理意識の高揚と啓発においては葬家情報を責任をもって管理することが肝要。情報の守秘・保 管・漏洩防止・破棄だけでなく運用においても情報の流れと受け渡し、また取り扱う情報がどのように拡散するかを、把握 すること。 ○『葬祭情報管理責任者』の配置 情報管理意識の啓発や教育を敷設すると共に対外的な管理意識の啓蒙と相互的に守秘保護意識を広めていく。・・・葬家・ 地域・一般社会 同時に自社の情報管理確立を的確にアピールすることも、同業他社の意識向上に大きく影響を与えるもの となる。 ○プライバシーポリシーの表明必要。 葬祭企業の例 私ども○○葬祭は、葬祭サービス業務の根幹は、ご遺族様の共感に基づく信頼にあると考えております。 葬儀施行に 関しては、個人情報保護法を遵守し、その保護と取扱いに細心の注意を払って次のような 対応しております。 @個人情報の利用目的の明示 A安全・保護対策の具体例 B第三者への情報提供の事前通告と了解・同意 ○今後の対応と社会的認知について ISO等の取得・プライバシーマーク制度の導入・第三者的な民間認定機関からの付与 ○まとめ 【〜会場内の様子〜】
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