日本葬送文化学会 2月定例会 「院生 修士論文プレゼン」 当学会代表幹事の浅香勝輔氏(前・日本大学理工学部教授 現・講師・日本都市史)の指導を 受けられております2名の大学院生に修士論文の概要を発表していだだきました。
『無火葬場都市の防災問題からの視座』 講師 宮崎 悟 氏 日本大学大学院修士課程2年生 不動産科学専攻 『朝霞市に火葬場を建てるケースを考えての問題点』 講師 小原太一 氏 日本大学大学院修士課程2年生 建築学専攻 | ||
|
||
宮崎氏の発表 火葬場を防災計画の面から追求し、災害時における地域社会の相互連携とその補完システムとして役割を担う広域火葬に着目し研究をなされました。 研究対象都市/川口市・草加市・蕨市・戸田市・鳩ヶ谷市(合計人口/943,713人) ○阪神・淡路大震災の検証と課題 ・職員の出勤状況 ・火葬業務 ・広域的な火葬場利用 ・搬送手段 ・燃料の確保 ・他市の状況 ○研究対象都市が日常業務を頼る火葬場 ○災害対策と地域防災計画の問題点 ・災害時の火葬問題に対する構想の整理 ・現状の対策と推測できる問題点 ○被害予測と広域火葬 ・地震被害予測 ・広域火葬と火葬能力 ・広域的火葬の有効性 ○防災システムと役割分担の提案 ・防災システムの先行事例 ・提案する防災システム
|
小原氏の発表 埼玉県南部の火葬場空白地域の火葬を調査され、隣接する自治体の火葬場の利用状況も調査された上で、現状の問題点今後の課題について研究なされました。 研究対象都市/新座市・和光市・志木市・富士見市・上福岡市・ 大井町・三芳町(合計人口648,460人) ○埼玉県の火葬場の概要と現状 ・火葬場の名称、位置、圏域 ・火葬場空白地域と火葬場圏域の人口構成比 ・人口構成比からの火葬場の必要性 ○火葬場空白地域の火葬状況 ・人口と死亡者の推移 ・研究地域の年齢別人口 ・研究地域の遺体搬送状況 ・富士見市の搬送先別火葬件数 ・近隣の火葬状況 ・近隣の火葬規制 ○基本構想 ー結論と提言に代してー ・研究地域6市2町の関係 ・建設の検討 ・管理運営の検討 ・計画火葬炉の設定 ・計画利用者及び従業員数 ・計画の規模 ・計画敷地の選定 ・計画敷地
| |
□ プレゼンの感想 □ 宮崎氏の研究 大災害を想定しての火葬場問題は、今までに取り上げられた事がないと聞きました。 しかし、実際に大きな災害が発生し大勢の死亡者が出ればそれに比例した 数の火葬が必要になってくるのは事実です。今まで考えてこなかった大災害時の 火葬場問題を真剣に考えていかなければならないと強く感じました。
小原氏の研究 現状の埼玉県の火葬場の状況を調査し細かく分析していました。 人口増加による各火葬場の最大可能火葬件数を割り出しており、 今後の火葬炉/火葬場の必要性を感じました。 また、研究対象都市に火葬場を建設する上での基本構想を提案し 数値に基づき実質的に述べれれておりました。
両者の研究とも現状そして未来の火葬場問題として非常に大切な事を研究なされ 我々に提起していただけたと思います。
御二人のこれから益々の発展ご活躍を心からお祈りいたします
取材編集 日本葬送文化学会WEB編集委員 阿島武志 |