日本葬送文化学会

[ご案内]

9月定例会
1990年代を通じて、地域における営業戦略拡大の武器として葬儀業は葬儀会館・セレモニーホールなどの専門葬祭場を建設・提供するようになりました。その結果、葬儀を実施する場所はそれまでの「自宅」や「寺院」などから「葬斎場」に移行して、葬儀に携わる家族やまた葬儀を取り仕切る地域との関係性はもちろん、葬儀の形態や内容も大きく変容することになりました。
葬儀社が葬儀会場を提供することによって、葬儀社の業務領域が拡大するとともに葬儀業葬祭場という空間提供業となり、それまでの遺体処理や柩販売、祭壇や葬具の貸し出し・販売業から、人的サービスが重視されるサービス業への転化を促しました。こうした葬儀業の近代プロセスを葬斎場を中心とした視点から、葬祭会館の設備状況やその内容、地域ごとの相違などをみましいた。また、葬祭会館の規模や開設年、機能構成等を検証するとともに、既存建物を改修・コンバージョンして葬祭会館を建設する方法についての事例を収集しました。
また著名人の葬儀や社葬・お別れ会などの大規模な葬儀について、新聞記事や雑誌に掲載された内容から場所な葬儀形態について、検討を行いました。その結果、21世紀に入って、ホテルでのお別れ会・偲ぶ会、無宗教形式による葬儀が増加するなど多様化していること、葬儀を公開せずに近親者だけで済ませたり、密葬(注:この定義は秘密に行う葬儀であって、仏教での解釈とは異なる)・家族葬の増加など、形態や内容に激しい変化が起こっていることが明らかになりました。こうした現象は、家族や死者との関係性の変化の表れであり、今後どのような影響を及ぼして行くのか、葬祭業との関連のかで考えて見たいと思います。
<講師プロフィール>
1979年3月 立教大学経済学部卒業
1984年4月 業界通信誌編集部などを経て綜合ユニコム入社
1999年4月 「月刊フューネラルビジネス」編集長
2005年4月 共立大学大学院 家政学研究科人間生活学専攻 博士後期課程入学
2007年4月 「月刊レジャー産業資料」編集部長
2008年3月 同 博士後期課程満期退学

日  時: 2008/09/17 18:30〜
場  所: 千代田万世会館(最寄り駅秋葉原)<- 今回は場所が違います!
出席者数: 34名+講師
講  師: 綜合ユニコム(株)月刊レジャー産業資料編集部長 福田 充氏
議  題: 葬儀業の産業化による現代葬儀の社会的・経済的影響について


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