日本葬送文化学会                 8 月 懇 談 会

                                                   日時:2004年8月28日18:30〜

                                                     於:東京文化会館 4F 小会議室 @

 テーマ 1共同研究書『火葬後拾骨の東西』刊行についての調査実施経過報告

・浅香会長より挨拶。「皆様一生懸命やってくれて、有難うございます」

・現場に立った人間としての素朴な感情を最初に出すことが研究の一番大切なところだ。取材の一部拾骨と全体

 拾骨の区別は書いてほしい。現地でお世話になった方の名前を書く。その場所と回りの景観と一緒に出す。町や

 村の場合は郡の名前を忘れないで書くこと。

・市町村合併の前と後の違いを、読者にも分かるように書くようにしてほしい。地方都市の特色を出すようにする。

・写真は一項目2〜3枚入れる。行った方は分かっても、行かない方でも分かるように、手書きで良いので地図も分か

 りやすく書いてほしい。

・言葉の統一をはかりたいと思う。「拾骨」か「収骨」は「拾骨」にする。「全体拾骨」と「一部拾骨」と統一して書くよう

 にする。

・言葉の定義を決めたい。年号は元号で表す(明治、昭和、平成等)。「残骨」ではなく、「残骨灰」にする。

・遺骨形状を保たれているものと、形を留めない残骨灰というのもある。

・真宗大谷派の地域は本山に一部を収めるが、火葬の時の拾骨が全体拾骨であるとすれば、それは全体拾骨と

 する。真宗大谷派だから、「一部」ということではない。採取対処になるものが全体か一部かを見る。

・岐阜県恵那郡蛭川村は村全体が神道系の神国教という宗教である。

・廃仏の関係で、神道が強い地域もあった。

・葬儀後に火葬する地域が多かったのには驚いた。

・歴史的には江戸時代の影響を受けていた。基本的には、江戸時代の影響が現在のスタンダードになっている。

・飛騨高山は一部拾骨であった。そこの「密葬」というのは友引の午後に火葬して、骨葬という形で葬儀を行うことで

 あることには、私たちの知っている身内だけで行うことが「密葬」という意味ではなかった。

・長野(飯田)の場合は、木曾福島3月まで6寸4月から7寸に変わった。長野はほとんど全体拾骨である。飛騨と

 は交流がある。行政ではなく、業者が7寸を使い始めたので、7寸に変わったというとこもある。

・ただ見て歩くだけではなく、各地の資料を集めた方が論文も書きやすい。

・資料を長く引用する際は、どこのどの資料からの抜粋を明記しなければいけない。

・業者によって骨瓶の容器も変わってくる。6寸を業者が持ってくることが多かった。

・火葬場の方が触っただけで、クレームがついたこともあった。例えば、会葬者で小さな子供に触っただけで、行政

 からのクレームがあった。火葬場の方が部屋を借りに行ったら、塩を撒かれたりもしたそうだ。差別されていると

 いうことだ。そのことは論文には入れない。

・市誌のようなものがないのには驚いた。津具町では火葬場に搬送される際、霊柩車ではなく自家用で搬送すると

 いうのもあった。

・昔は関東でも6寸であった。よって6寸も7寸も両方とも全体拾骨であるようだ。

・各ブロックで、相談をして論文を書き上げてほしい。

・火葬場名が実際行ったら違った場合は、カッコを付けて実際の看板名を書く。

 

テーマ 2モンゴル・ゴビ砂漠の風葬・新設火葬場など視察報告

        (6月に実施された会員有志による第3回目のモンゴル訪問をスライドを交えて報告)

・今回はゴビ砂漠に行き、風葬を見てきた。モンゴル第一号の火葬場の視察となった。

・遊牧民なので、馬は自転車代わりの感覚である。

・墓と言っても石がおいてあるだけである。村の一角にある。

・風葬は去年2例あった。一つは昔ながらの風葬ということで行い。もう一つは遺言であったので行った。必ず役所

 に申し出なければならない。申請をせずに勝手に風葬をやって遺体遺棄に問われた事例もある。

・大きな鷲だと2羽くらい来ると遺体ごと全部持っていってしまう。後は残っている故人の持ち物や、安置していた場

 所で判断する。

・新しい墓には青い布がまいてある。“青”は天を表し神聖なアイテムである。

・道は車の通ったところが道になる。海抜はそんなに高くない。気温は35度〜36度であった。

・家具屋から葬儀社に進出した。高い技術の棺ができるということで。

・墓石は自分達で用意するか、葬儀社が用意する。

・棺の中は緑と青で、草原と空を表している。

・総本山のラマ教の館長(89歳)の話を承った。

・上海製の炉である。火葬の日時を決める時は占いや方角など決めるので、葬儀が延びる際は遺体安置室に入

 れる。

・シンガポールや韓国の納骨スタイルになる。

・霊柩車を入れて700ドルで葬儀を行う。

 

事務局報告
会報の件だが、皆様より原稿を頂きたい。テーマは葬送文化に関わる自由テーマで行う。日頃のことをまとめてもらいたい。ワープロでも手書きでも良い。10月か11月にはなるだろう。本日出席者は執筆者として、心得てほしい。

9月は野外研修で京都へ行く。日程は9月27日、28日(一泊)の予定。関西にも会員がいるので、現地(京都)集合現地解散にする。

来年もまた霊柩車を1台寄贈する。

〜 会場の様子とスライド写真の一部 〜
 

   

              二村氏

   

               和田氏                   

   

   

   

             棺の中

   

    モンゴル第一号にできた火葬場の中の告別室              上海製の焼却炉

 

        左の女性が国営葬儀社の社長