日本葬送文化学会       6月懇談会・拡大理事会


             日時:平成16年6月14日午後6時30分〜午後8時30分

             場所:東京文化会館 4階 中会議室A


テーマ 〔 共同研究書『火葬後拾骨の東西』刊行について 〕

主旨

 民俗というすぐれて経験的な事象については、私たちの学会も配慮を示す必要がある。地方都市や村里を訪ね歩くと、葬送の習

俗の地域的特徴・違い・連なりなどが判明し、編み出せるのではないか。

 今回の刊行企画では、内容の拡散化・漠然化を防ぐため、各研究参加者が記述していただく焦点をミクロにし、記述の方法の例

や見本も詳しく備え、また、調査対象地域も本会の仲間のうちの気の合う人と楽しく同行できるよう配慮したうえ、研究対象も各

自が興味を持ってもらえそうな鮮烈なテーマを選んだ。

 私たち学会も、まだ葬送文化研究会であった時期に、出版物によって研究成果を刊行したことはある。平成5年(1993年)

に古今書院から発行した「葬送文化論」である。

 本会も学会を名乗った以上、学会誌の発行はもちろん、共同研究を社旗に発表する義務がある。さいわい、古くから浅香の知己

でもある、日本経済評論社の編集者である谷口京延氏より、火葬及び火葬場に関する書物を同じ型・同じくらいの頁数で十冊ほ

ど「火葬叢書」としてシリーズものとして刊行したいという誘いがあった。私の会長任期2年間のうちに年1冊ずつ、計2冊の書

物を発行しようという考えにたどりついた。

 とりあえず、今回はその分担区域と担当者の希望・割り当てをすることにしたいと思う。

浅香会長より挨拶

日本葬送文化学会として出版(共同研究書「火葬後拾骨の東西」)しますので、どうぞ皆様ご協力のほど宜しくお願い致します。

本日はお忙しい中有難うございます。

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・出版と言って驚かれたことと思うが、年初から幹事会の方で進めていた。学会として何かできないかということであった。学者でない私たちに出来ること

 ということで考えた。

・調査範囲はフォッサマグナ(FossaMagna)と言われるような大地溝帯、能登半島の付け根から駿河三河あたり。

・火葬のあとの拾骨は、東が全部拾骨で西が部分拾骨であるが、いろいろな現状を見ていく。

・AブロックからIブロックを担当に分けて調査、研究を進めていく。もちろん楽しみながら、いくつかのグループに分かれて進めていき

 たいと思う。地形的、道路の関係でこれから相談していこうと思う。

・調査をする条件は、聞くことは聞くこと、写真は撮る。迷信とか俗説を聞くときは記録には残すが、論文に載せるかは検討する。差別や失礼がないように

 心がける。まずは浅香会長より、見本原稿を出していただけるので、それを参考にしながら、進めていく。

・8月末には実地調査を終えないと9月30日の締め切りに間に合わない。

・各地域(ブロック)の現状と歴史のうねり、火葬場の現状「全体拾骨」か「一部拾骨」か、その原因とか由来、特にその境目になる

 村境・町村境の小川やお地蔵さんなど、写真や文章を入れてほしい、将来の見通しとして「全体拾骨」「一部拾骨」のどちらへ傾く

 かを最低は調査してほしい。

・別紙(執筆要領)を参照してほしい。

・フォッサマグナ(FossaMagna)を境目として、左右分かれるのではないかと思う。

・能登半島の付け根、礪波平野を抜けて飛騨高地、美濃三河高原を南下して駿河と三河の国境にたっている。

・静岡が複雑である。細かい部落名が出ていない。最近はさらにややこしくなってきている。

・天竜川の線と大井川の線に一部拾骨と全体拾骨に分かれる。

・関西は一部拾骨の骨以外は捨ててしまうということで、問題になった。

・フォッサマグナ(FossaMagna)でうどんの味も濃くなる地域と薄くなる地域で分かれる。デシベル電波も変わる。

・このようなことで、地域的な部分拾骨と全体拾骨をみなさんでまとめたいと思う。

・大勢の方が調査してまとめる関係上、統一性をもたなければ編集が難しくなるので、質問事項の模範などその辺も考慮していく。

・柳田國男もそこまで調べていない部分なので、とても面白い。なにぶん皆様の協力が必要だ。

・山を越えての調査は地理的配置上難しいので、平行に太平洋から、日本海に向けて調査していった方がよい。

・関東の特徴は火葬場の後ろにピットがないというのはご周知の通りであるが、何が何だろうというように、分からないことは分からないまま載せても良い。

 その後に続けて調べてもらう者が出てくるであろうというように、学問というのは全てを行うのではなく、続けていくものだ。

・日本経済評論社の編集者である谷口京延氏も大変興味を持っていただいている。

・この研究後、霊柩車も宮型霊柩車から洋型霊柩車へと大きく変わっているのでそのところも研究していきたい。

・糸魚川付近ー静岡構造線付近を調査していく。この付近がキーポイントでもあろう。

・どこまでが全体拾骨でどこまでが部分拾骨かはっきりはしていないが。

・本日はご意見やご質問を頂き、実際に調査まで参加してもらえる者も募りたいと思う。

・何日間くらいかかるか、また、車は各自で?

・大体二泊三日くらいですむでしょう。学会からは一切費用はでないのでそのことは了解してほしい。

南の方は二つに割れると思うので、自動車に乗れる方お願いしたい。

・何しろ楽しみながら行っていきたい。

・調査地域分担開始・・・〜 二村さん 〜・・・

・Aブロックは浅香会長、BブロックCブロックは加茂郡白川町まで、Dブロックは恵那郡加子母村からにする。

 EブロックFブロックは天野さん、GブロックはDブロックの延長であるので二村さん。Hブロックは浅井さんに頼みたい。

 Iブロックは一部大杉さん。

・長野市は抜かした。木曽谷(木曽川上流の渓谷一帯)、木曽福島を入れる。

・調査の質問事項を下記に記載(浅香会長より)

  @ 以前から全部(全体)拾骨ですか?  

  A この火葬場へ来られるすべての遺族は全部拾骨ですか? 

  B 骨壷(骨瓶)の大きさは何寸と言いますか? 

  C 部分拾骨の場合は、火葬場のうしろにピットがあるのですか?

  D どうしてこういう拾骨方法になったかお分かりでしょうか?

  E 他の地方から来られる遺族はどういう壷を希望されますか?

    F この火葬場へ来る遺族の何%が全部拾骨で、何%が部分拾骨ですか?

    G 地域の人たちから何か拾骨方法についてお聞きになったことがありますか?

    H 宗教(特に仏教)との関係を聞かれたことがありますか?

・学会の名刺は出した方が、進めやすい。学会から出してもらえるとありがたい。

・前もって手紙出してから行った方が良いのか?

・友引などを避けて、直接行った方が良い。一方入れてから行くと断られることもある。特に役場などに電話を入れたら断られることが多いであろう。

・ある程度、全体か部分拾骨かのことで、事前に電話で調べて行ったらどうだ?

・それは学問ではない。よくない行為であり、実証ない学問である。写真のないものはだいたい電話やインターネットなどで調べたもの

 が多い。もちろん、事前に調べてから検討をつけてから実際に行くのも方法である。何しろ実際に行くことが肝心である。

・調べに行くとそこの図書館(郷土館)にしかない資料があるので、それも重要である。

・どういう日程で行うかは、担当者会議で決めましょう。

・皆様が回られるところで、浅香会長の方で十年前の資料がある場所もありますので尋ねてほしい。

・行った先で、ついでに霊柩車の型も調べたら、次回の調査資料にもなるのではないか。

・いきなりAブロックから始まりIブロックでいきなり終わるのもどうでしょうか?

・「はじめに」と「おわりに」は入れましょう。小谷さんに頼みたい。

・7月の初めには手順書が出来るので、それを参照してほしい。

・7月8日(木)友引前に事前担当者会議を行う。また追って連絡する。東京文化会館で行う。

_/_/_/_/_/事務局より_/_/_/_/_/

・野外研究で大田区の臨海斎場か、かわさき南部斎苑に見学に行こうかと思う。

・7月20日過ぎでどうでしょう?7月22日に川崎駅13時出発でどうでしょう。

・8月は調査会議になるでしょう。

・9月下旬に恒例の研修旅行で京都を計画中である。

_/_/_/_/_/会場内様子_/_/_/_/_/