日本葬送文化学会

                9 月 懇 談 会   

                                 日時:平成15年9月25日 18:30〜

                             於:東京文化会館



日本の葬送文化にまつわる調査 結果報告

「葬送文化の衣・食・住についてのアンケート」結果   〜 配布資料より 〜

 アンケート調査対象

  1、会員からの紹介者、または葬祭企業

  2、全葬連会員名簿からのピックアップ(東京を除く全国の葬儀社の中から、

         地方色が在ると思われる葬儀社を検討選択した。)

  3、現在、インターネット上にホームページを載せている葬儀社に対して、

         メ ールでのアンケート調査依頼を行った

  4、会員内の葬祭企業や研究者

  アンケート発送総数・・・647社(名) 有効回収数合計・・・132社       

           回収率・・・20%                               

                                                                   回収数      回収率 

内訳 @  17社(名)・・ 郵送         15社(名)    88%

    A 217社・・・・・・郵送          75社        34%

    B 356社・・・・・・メール送信     12社         3%

    C  57社・・・・・・郵送         30社        52%

                                                         

開会の辞    勝山 宏則氏

開会の挨拶   浅香 勝輔氏

・ 二村事務局長よりアンケートについての報告。

・ 本年のテーマである、「葬送文化の衣食住」。それについての活動の一つ、

  アンケート調査の結果ができたので報告する。配布資料は18ページ分の円

  グラフによる集計結果である。

・ アンケートの調査は、全国の葬祭業者の方に地方独自の風習や過去に行わ

  れていた風習について聞き出すもの。郵送によるものと、インターネットによ

   る回答の二つの方法により収集した。また、郵送によるものは対象が東京及

  び大都市に集中してはいけないので、全国の葬儀事情に明るい天野会長と

  杉浦氏により、全国に満遍なく行き渡るようにした。インターネットによるも

  のは、日本葬送文化学会のホームページに掲載し、閲覧者が誰にでも回答

  できるようにしたほかホームページを持つ葬儀社にも、アンケート回答の呼

  び掛けをメールで行った。

・ アンケート発送総数は647社(名)、有効回答数の合計は132社で回収率

   は20%となった。

・ 20%の回収率は記名式のアンケートにしては、優秀といえるでしょう。お答

   えいただいた方には今秋発行される学会報6号をお送りする。

・ 集計には、専門家として会員の小谷氏と専修大学の統計の先生とその学生

  さんたちのご協力と監修をいただいた。

・ 今回、配布した資料は集計したそのままのデータのため、とても読みにくく申

  し訳ないが、集計についてのご意見をいただきたい。

・ アンケートで大事なのは地域による分布ではないか、この資料ではどの地域

   がどうなっているか分からない。

・ 会報には、アンケートの目的と結果についてコメントを文章で入れてほしい。

・ 項目とグラフの入れ違いがあるので、確認してほしい。6ページ(6)の2「七

  日膳または七日の席」7ページ、8ページのグラフがない。ずれている。

・ 最終的な結果報告はまた行う。今はあくまでも数値の結果報告である。

  会報ではグラフを使わず、数値で表示しようと思っている。また地域名を明示

  する。

・ 最後の18ページ箇所の“理由”で「時代とともに変化した。昭和初期にはそう

  していたと思います」とあるが、アンケートには“思います”という言葉は不適

  切だ。また、「最近葬儀を寺院、専用斎場で行うことが少なくなったため、通

  夜は自宅で行う」とあるが、これは東京圏では考えられない。回答として実態

  と合わない

・ 地域だけを取り上げていくようにし、もう少し協議をし、細かく踏まえて、このグ

  ラフ一つ一つ作り込みをしていく。地域性を出していく。

・ このグラフはパーセンテージで書いてあるが、全葬儀社や全国民にこのアン

  ケートは出してなく、地方に偏ったデータ収集のためパーセンテージは意味

  がない。東京にも出していないし・・。

・ 呼び方にしても、地域性と分布をしっかりした方が良い。

・ あくまでも会報に載せることが頭にあり、数値的なことを出さなくてはいけない

  と思った。簡単な数値結果しかなく、余計分かりにくい結果になってしまった。

・ 会報に載せるなら、皆様が見るわけですから、考えないとまずいのではない

  か。中間報告なら良いのだが。結論は良くない。

・ 例えば白装束を着ているのは、どことどこ等一覧表になっている方が使いや

  すい。

・ 問4(1)においては設問の仕方が悪かったので、もう一度検討する。

・ 問4の選択5のその他を大きな枠でくくらないで、細かく考えた方が良い。

・ 10月の定例会について、10月25日(土)の18:30〜東京文化会館中会議室

  @で行う。“衣食住”の“衣”を取扱い「よそおいの民俗誌」(歴博)の共同執筆 

  者であります東京家政学院大学教授 中村ひろ子先  生をお招きしてご講演

  を賜ります。

         テーマは「死者の衣服のフォークロア」(仮題)です。

・ アンケートの結果を検証して、議論を重ねていきたい。

・ “衣食住”の部分で、面白いのは地方の方からあがってくる。その辺も考える。

・ 毎年の浅香先生の学生さんによる発表はない。

・ “お墓”と言っても、範囲が広いが、お墓というのも“住”の部分で当てはまるの

  ではないか。

・ 墓石のクレームが今は多く、中国産の石で通常のルートでは売れない石を、墓

  石業者以外の参入で、売れば良いということで一式で95万くらいで売り、その

  後のフォローはしないというようなことである。そういうこともあり優良な墓石業

  者もいるが、消費者からの不信感もあり、墓石業界はこれからはいろいろな意

  味を含めて辛い時代に入るだろう。  

・ 墓石というのは100年という目安があり、安い墓石はそれほどもたない。

・ 伝統のある墓石業者は責任があるので、そういう業者はいい加減は墓石を売

  るようなことはしない。

・ 消費者の理想とする墓石のイメージと墓石業者の持つイメージが違うということ

  もある。「作った墓石のイメージが違うので、無料でやり直してくれ。」または「墓

  石の鑑定士を紹介しろ」というのもある。実際にはそのような鑑定士はいない。

・ 見本の墓石と色が違うというクレームも多い。それは、蛍光灯の下と太陽の下

  では勿論違うので、そういう部分のクレームもある。

・ 中国産の石を使ってのクレームというのは、具体的にはどういうのがあるの

  か?

・ それは吸水率が高いということがある。柔らかいということでしょう。水を吸わな

  い方が、良い石である。しかし、そういう石の産出量は少ない。水を吸うといけ

  ないというのは、雨や風に長い間さらされるシミなどが出てきてしまったり、表

  面がざらざらしてきてしまう。

・ なぜ高い石なのか、なぜ安い石なのかを、業者が説明しないというのもいけな

  い。

・ しかし、業者も商売であるので、なかなか業者が一概に駄目というのも言いにく

  い部分もある。

・ 一般の方々のお墓に対するメンタルな部分で、お墓は遺骨の保管場所という

  感覚なのか等というところでは、どうなのか。

・ これから、永久にこのお墓で眠っていくのにこういう所ではやだというのはある

  でしょう。

・ 黒い石に金の文字を入れてはいけないという地域もある。

・ お墓に屋根を付けるところもある。

・ 墓であまり研究していないのは改葬の部分である。

・ 改葬で火葬する場合もある。

・ 事務局としては、そういう情報や意見をもらいテーマに沿っていきたい。後半の

   活動に入れていきたい。

・ 事務局からの報告で、11月の野外研修「韓国 済州島葬送視察」は、早くも

  10名様ほどの申し込みがある。たくさんの方々に参加してほしい。また8月に

  モンゴルへ視察したときに、モンゴルの国営の葬儀社より、まだ発展途上にあ

  るので、日本の協力を仰ぎたいとのことである。全霊柩よりのご協力も頂けると

  のことである。モンゴルで宮型走るようになったら、ぜひ見学に行きたい。

                                              以上