2023年2月定例会のご案内 講演 「新生活運動と冠婚葬祭 ―葬儀を「改善」するとは―」
2023.02.20
日本葬送文化学会 会員各位
講師:大場あや氏(大正大学)
近代以降の日本では、生活のあらゆる面を改善・合理化する運動が繰り返し取り組まれ、戦後の新生活 運動は全国的な展開をみせた。
なかでも冠婚葬祭は重要視され、最も多く取り組まれた項目であった。
各地域に残る資料を紐解くと、人々が試行錯誤しながら議論を重ね、冠婚葬祭に様々な側面から影響をも たらしたことが読み取れる。
本講演では、婚礼・葬儀の衣装や道具、施設を共同化した山形県の事例をもとに戦後の新生活運動の展 開を踏まえ、難しいとされてきた香典減額・お返し廃止を実現させた群馬県の事例、そして現在も婦人会 が冠婚葬祭関連の衣装全般から葬儀祭壇の管理・組立てまで行う石川県の事例を紹介する。
運動を通じ て人々は何を求めたのか、今につながる視点を探りたい。
【講師プロフィール】
大場 あや (おおば・あや)
東京外国語大学外国語学部(ウルドゥー語専攻/中国語副専攻)卒業。
大正 大学大学院文学研究科宗教学専攻修士課程、博士後期課程修了。博士(文学)。
現在、大正大学、淑徳大学非常勤講師、國學院大學日本文化研究所 PD 研究員、国立歴史⺠俗博物館共同研究員等。
専門は、宗教社会学。
葬儀の変容を、地域社会における住⺠組織の動向や行 政との関わりから考察してきた。
主な調査地は、山形県、石川県、群馬県/ 中国、台湾など。