日本葬送文化学会は葬送に関わるすべての事象の研究を目的に設立されました。

日本葬送文化学会

ニュースリリース

福田充会長より就任ごあいさつ

2018.06.20

会長就任のごあいさつ

2013_09_13平成30年6月吉日

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、私はさる5月24日に開催されました平成30年度日本葬送文化学会年次総会において、日本葬送文化学会会長を拝命、就任いたしました。
長江曜子会長時代は、公開講座や創立30周年記念シンポジウムの開催、エンディング産業展の出展など本会の活動範囲が広がり、新しい会員の仲間もたくさん増えております。私も、引き続き長江前会長の功績を継承・発展させていきたいと考えております。
会長就任のごあいさつに代えて、年次総会において発表しました活動方針を以下に掲載いたします。
伝統ある日本葬送文化学会がますます発展していけるよう、ご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

平成30年度活動方針「葬送文化の新たな価値創造に向けて」

本会は、近年活動の幅が広がるとともに活発化したこともあり、かつてないほど幅広い分野から新入会者が増加しています。
2010年から会誌『葬送文化』の誌面刷新が図られ、投稿論文の充実、会員の相互理解や会の活動を伝える冊子として定着してきました。2013年に一般公開シンポジウム「いま、なぜ家族葬か」(国立博物館平成館)、14年公開講座「葬送を支えるそれぞれの世界 ~ 伝統と現代」(ティアラこうとう)、17年には30周年記念シンポジウム(毎日ホール)を開催するなど、広く会員外の方々にも門戸を開いた活動を積み重ねてきました。
14年には愛知県を中心に「中部支部」が発足するとともに、その後本のホームページの刷新と内容充実を図っています。16年からは「エンディング産業展」(東京ビックサイト)に初出展し、昨年は東京ビックサイトに加え「関西エンディング産業展」(インテックス大阪)でも、会員の交流や会のPR活動を続けてきましたこともあり、毎月の定例会の参加者も多くなり、会の活動が活性化された状況にあります。
しかし、昨今は「葬送文化」そのものがますますないがしろにされていく傾向があります。葬儀や供養の形態変化が激しく、葬儀をしない直葬や墓じまいなど、ややもすれば葬儀、火葬、墓地にかかわる伝統や儀礼に価値を見出さない人々が増えています。
この要因は、種々指摘されるように高齢化・多死社会の到来家族関係の変化といった社会的影響が少なくありません。同時に、葬式を支えてきた親族や地域共同体と、宗教者の指導力・影響力がなくなり、喪主・遺族は葬祭事業者にその多くを委ねる状況になっています。一方で、身近な人の「死」に直面した人の悲しみ悲嘆を癒す、葬送の時間・プロセスを大事にすることがますます求められています。
社会・経済が成熟して、人口減少に直面しているわが国では、旧来の規範に基づいた葬送のあり方だけでは、消費生活者に受け入れられなくなっている面があります。すなわち、時代にマッチした「葬送文化の新しい価値観」が求められています。伝統的な文化を継承しつつ、身近な人の死に直面したとき、葬送の時間・プロセスが本当に意味のあるものとして継承されていく社会を目指すことを、本会の活動理念として取り組んでいきたいと考えています。そのために、今年度以降、次のような施策に取り組んでいきたいと考えております。

1. エンディング産業展「実行委員会」による運営
今年度から「エンディング産業展」(東京ビックサイト)、「関西エンディング産業展」の後援団体となり、出展内容・活動充実のため、エンディング産業展実行委員会を組織して、よりダイナミックに本会のアピールをしていきます。
また、エンディング産業展の期間中に、全国からの会員のみなさまが会してコミュニケーションできる機会を設定たいと考えております。

2. 学術研究団体としての活動強化
本会は、葬送に関する研究者が多く所属しているなかで、学術研究活動の充実のために論文審査委員会の活動強化に向けて、再度査読委員会の招集を行ない、投稿論文の充実とその査読、学会誌掲載、研究大会での発表といった、一連の流れを再構築していきます。

3. 中部支部ほか、地方における活動の強化
中部支部の活性化を図るとともに、より地域性の高い葬送文化を尊重するためにも、地方会員とのコミュニケーションなど、地方における会活動へチャレンジしていきます。

4. 新たな葬送の価値を考える専門部会の発足
葬送文化の中心的領域である「葬儀」「火葬」「墓地・埋葬」などについて、それぞれ今日的なテーマに取り組み、新たな葬送の価値を考える「専門部会」を発足させていきたい。
一例としては、葬儀そのものの価値を高めるために「葬儀価値向上部会」や、火葬のプロセスや焼骨のあり方を考える部会、あるいは散骨や樹木葬など埋葬の多様化を整理する部会など、会員の専門領域を深め、葬送文化の価値を広く社会的にアピールするための知識や意識の向上を図る活動を進めていきたいと思います。
現在のところ、専門部会のメンバー構成や研究テーマなどは未知数の段階ですので、会員のみなさまからの立候補や提案など、積極的な参加表明を寄せていただくことを期待したいと考えています。

日本葬送文化学会会長 福田 充

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